中途半端な社会性が涙を許さない
僕ムーミンとかピングーとかほのぼのしたものが好きなんです。
あのどこまでも平和でなにをしても許され、権力や闘争の無い社会。
素晴らしすぎませんか?
本当に平和な世の中には「平和」という言葉なんて存在しないのだろうということを実感させられます。
バイト中だったりとか学校に行って聞きたくも無い講義を聞いてる時なんかにはよく頭の中でムーミンやピングーを見たりします。
ただあの世界を見るだけでいいんです。
画面の中のムーミンやピングーは無邪気な笑顔で友達と遊んだり、いたずらをして人をちょっぴり困らせたり、風邪を引いて優しいママに看病してもらったりするんです。
それを見てる僕はいつも泣いてます。
なんで自分の生きてる世界はこうじゃないんだろうか。
すぐそこにある、手に届くほどの画面に映し出されている世界は、何万キロ何億光年の距離を費やしても絶対に届く事の出来ない世界。
せめて心はいつもこの世界にあるように、その意思表明の代わりに僕は涙を流す。
頭の中で。
でも現実の僕はムーミンを見てもピングーを見ても絶対に涙なんて流しやしないんです。
現実の僕の頭の根底には中途半端な社会性が住み着いているから。